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活動報告・発行広報物

【開催報告】第42回フミコムcafe「終活」から「集活」へ ライフエンディングを支える「つながり」を考える

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • 福祉・健康(高齢者/障害者/その他)
  • まちづくり・安全
  • 職業・暮らし
日時:2019年9月18日(水)19:00~20:30
会場:フミコム C-base
ゲスト:星野 哲さん(ライター(人生のエンディングに関するテーマ)立教大学社会デザイン研究所研究員)
参加者:約30名

今回のフミコムcafe、テーマは「終活」から「集活」へ-ライフエンディングを支える「つながり」を考える-。
終活分野に造詣の深いライターであり立教大学社会デザイン研究所研究員である星野 哲さんをゲストに迎えました。
開始直前に雨脚が強まりましたが、約30名の方が参加され、様々な切り口からライフエンディングについて考えていく有意義な時間となりました。
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元々は記者として働いていた星野さんですが、当時連載していた記事を通じて出会った2名の専門家とともに、永代供養墓を広める活動に携わっていく中でライフエンディングへの関心が高まっていったそうです。
当時は息子がいないと墓が買えない、死後離婚という言葉も使われるような時代でした。

人が亡くなった時、数々の手続きは必ず誰かが行なわなければなりません。
星野さんは「他人に迷惑は掛けたくない」という言葉はあまり好きでないとお話しされます。
迷惑をかけたくない、と思うのではなく、生きているうちから死後の諸々を頼めるような関係を築いていく。つまり「縁を集めよう」ということで「集活」を提唱するようになったそうです。
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縁を結ぶ、というと「来てもらう」ことを考えがちですが、暮らす場所でさえも縁を結ぶ場所になり、つながりを生み出すと星野さんは言います。
そしてつながりを作るためには、役割(出番)を見つけられるかどうかが鍵とも。
つながりを作ることはまさに「集活」。
例として、お寺を居場所とする取り組みですが、過度に歓迎されると構えてしまい、また行こうとは思えないけれど、掃除を一緒に行えば、「ここは私が掃除した場所」と考えることでまた行こうと思える、というテンプルモーニングのお話をしてくださいました。
また、死の象徴である墓を通じて縁が結べる「墓友」についてや、サービス付き高齢者住宅に子どもたちやサラリーマン、親子連れが集まるなど、具体的な集活の例を写真を見せながらお話しいただき、参加者の方も感嘆の声をあげていました。
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ところで、ACPという言葉をご存じでしょうか。
Advance Care Planningの略で、「人生会議」とも呼ばれています。
自分が最期までどんな医療を受けたいか。家族・友人・NPOなどの団体・ケアチームなど縁を持った方たちとどう生きていきたいか、話し合うことです。
お墓や葬儀は前もって準備をしても、終末期の医療についてや病気になったときに自分はどうしたいか、実際に準備している方はあまり多くないそうです。
そのことを考えることも、集活の大きな目的のひとつだと話してくださいました。
人生会議は文章として遺そうとすることではなく、自分の生きた価値観を周りに理解してもらうことであるというお話には大きく頷かれている方も多かったです。
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「終活」というと「縁を閉じていく」活動と思いがちですが、「集活」とすることで「縁をつなげていく」ことになるのです。
家族などの縦のつながりだけでなく、友人や仲間などの横のつながりの中で「わたし」は成り立っている。横のつながりをいかに伸ばしていけるか、生きているうちに自分の価値観を見つめなおしていくことが重要だとのお話をしてくださいました。
地域の中で自分らしくどう生きていきたいか、元気なうちから縁をつないでいくという考えが広まっていくことを願いつつ、星野さんのゲストトークは終了となりました。

その後、参加者同士での感想シェアの時間には笑い声も聞かれ、非常に活気あふれる時間となりました。
続いて行われた星野さんへの質疑応答でもたくさんの手が挙がり、皆さんの関心の深さが伺えました。
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参加者の方の感想を一部、アンケートを抜粋するかたちでお伝えします。
・終末期医療についてきちんと話して、家族や友人などに伝えていきたいと思いました。
・家族だけでなく仲間たちと話し合ってみたい。
・生きている間に人との出会いを大切にしたいと思いました。

また当日は2名の方がグラフィックレコーディングをしてくださっていました。
それぞれにとても温かい雰囲気が出ていて、当日の空気が伝わりますね。フミコム内にて掲示中です。ぜひ見てみてください。
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集活についてさらに知りたい方は星野さんからご紹介のあった「集活ラボ」をご覧ください。
https://shukatsu-labo.amebaownd.com/

これからもフミコムでは地域のの課題を知るはじめの一歩、新たなつながりを創るきっかけの場としてフミコムcafeを開催していきます。
初めての方も、ご参加されたことのある方も、お気軽にご参加ください。お待ちしております。