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活動報告・発行広報物

【開催報告】第50回フミコムcafe「言えなかった」「知らなかった」ハラスメントからあなたを守る!

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • 国際・人権・男女共同
  • IT・科学・経済
日時:5月27日(水)19:00~20:30
会場:オンライン開催
ゲスト:くま ゆうこ さん
(株式会社マモルCEO/ソーシャルワークと子どもの権利条約勉強会運営委員)
参加者:約35名
テクノロジーが発展している現代だからこそ、傷ついた心、声なき声の可視化にチャレンジしたい!
このような課題に取り組んでおられる くま ゆうこさんをゲストに迎え、いじめやハラスメントが起こる過程や現状についてお話を伺いました。

くまさんは、大学卒業後ITコンテンツの企画・運営の仕事をされていたそうです。
その仕事を通じてネットいじめ、子どもたちの学校での人間関係を構築する上での苦悩の多さを痛感されたとのこと。
そういった状況の中で、くまさんがいままで経験してきたITの知識を活かして、いじめの当事者ではなくさまざまな事例を知っている立場からいじめを未然に防ぐことができないか?という思いが生まれたことがいじめやハラスメント問題に取り組むきっかけとなったとか。

株式会社マモルでは【マモレポ】というアプリを開発し、いじめを予防するプラットホームとして現在、小学校に導入されています。
【マモレポ】は、こども版・保護者版があり、直接は言いにくいけれどスマホなら伝えやすい!という利用者のメリット。そして、スクールロイヤー(学校で起こるいじめや保護者とのトラブル等を法的に解決する弁護士)に相談に乗ってもらうことができるエキスパート相談機能も備えています。
このアプリを利用することにより、いじめの早期発見のみならず現場の教師の負担軽減につながることが期待されています。
では、今回のテーマであるいじめやハラスメントの根っこはなんだろう?
ゲストの方と参加者とともに意見交換をしながら考えていきました。

●いじめやハラスメントは年齢に関係なく「たすけて!」が言えない状況からうまれるのではないか?
中には、いじめられていてもその状況を認めたくないという心理が働き、いじられキャラに発展、疲弊していく構図も。
また、外れたものに対する攻撃性が強く、足並みが揃っていない相手が悪いという過度な正義感と同調圧力からいじめにつながってしまう傾向があるとのことでした。

●いじめってこどもだけの問題?
そもそもいじめは動物の世界にもあるんですよ!とくまさん。
イルカ、ヤギ、ニワトリなど強いものが弱いものをいじめる生存競争。人間も動物。
ヒエラルキーやマウンティングなどが起こるのも生物の性。
とは言え、人間は考える脳を持っているので心地よく過ごすにはどうしたらよいか考えなければいけません。
相手を思いやり想像力を育む力をいかに養うかが課題です。

●いじめはどんな時に起きてしまうのか?
・イライラすると弱いものにあたりたくなる
・他者に対する嫉妬
・時間があるので相手の行動が気になる   など
講演会に参加するとこのような声が聞こえてくるそうです。
よって、それぞれのストレスをどのように減らしていくかが課題となっていきます。

以上のようなお話をもとに、後半はゲストの方と参加者とのクロストークに入りました。
学校でのいじめ問題がメインとなりましたが、いじめに関してはだれもが当事者となりうる危険性のはらむ問題であり、参加者の興味関心が高いことが伺えました。
参加者からのご意見として
・加害者、被害者の視点だけでなくその環境にいる傍観者のサポートによっても状況が変わる。その環境を作るにはコミュニケーションを日頃から作る必要がある。
・いじめはダメだよ!だけでは子どもには響かない。
・いじめをゼロにするよう努力する姿勢を大人が示し、子どもたちに伝えることが重要。
・多様性を認めることが大事。
・ITの進化とともに良いことも悪いことも可視化されてきた。
・閉鎖的にならずに開かれたコミュニケーション作りが重要。
など、深掘りしたくなるような貴重なご意見が数多く上げられました。

ITの見える化×学校の開放
ある専門家のことばに「自立とは依存先を増やすこと」とあります。
風通しをよくする。気づきの目を増やす。こうした環境を日頃から少しずつ作ることにより、だれもが生きやすい、過ごしやすい居場所が増えていくのではないでしょうか。

イベント開催後のアンケートで下記のようなご感想をいただいております。
・チャットの意見を多く取り入れ、現場の方の生の声を聞かせてくださったところ。
・くまさんのお話で「いじめ」「ハラスメント」に自分の思考がぐっと入ったところで、後半は参加者にも話を振ってくださったのでより色々な立場の方からのお話を伺えて勉強になりました。
チャットの活発さも含め、和気あいあいとした雰囲気がオンライン上で感じられました。

ZOOMのチャット機能を駆使することにより、リアルイベントとは異なる環境をゲストの方と参加者の皆さまとともに作り上げることができました。

さまざまな熱い意見が飛び交う中、とてもわかりやすくグラフィックレコーディングにまとめてくださいました。どうぞご覧ください!
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次回もオンラインにて開催いたします!
第51回フミコムcafe@オンライン「屋上からまちづくり!ハチがつなげる地域の縁」
をお送りいたします。
日 時:6月18日(木)19:00~20:30
ゲスト:岡田 信行さん(オルト都市環境研究所/芝BeeBee’sプロジェクト)
詳 細:https://www.d-fumi.com/member/article_detail/1182

ご参加、お待ちしております!