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活動報告・発行広報物

【開催報告】2020年度第2回企業地域連携推進ネットワーク会議を開催しました

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • まちづくり・安全
  • IT・科学・経済
  • 企業社会貢献
日時:2021年2月25日(木)15:30~17:00
会場:オンライン(zoom)
参加企業:23企業・団体
参加者 :36名

2月25日(木)に第2回企業地域連携推進ネットワーク会議を開催しました。
今回もコロナウイルス感染拡大防止の観点からオンライン開催となりましたが、文京区内の企業、地域活動団体、教育機関の方など23企業・団体、36名の方にご参加いただきました。

今回は、コロナ禍の今だからこそのつながり方や取組みの方法の参考になる3つの事例について紹介しました。紹介後、事例ごとにグループにわかれて自由に質問や意見交換ができる時間を設け、関心のある事例についてより理解を深められるようにしました。

冒頭、フミコム係長の浦田より挨拶の後、参加者が数グループに分かれてアイスブレイクタイムでお互いの緊張をほぐし、事例紹介に移りました。
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【事例紹介①:NECネッツエスアイ株式会社 & 東京大学留学生支援室による「日本語リモート交流プログラム」】

「NECネッツエスアイ株式会社」(以下、NESIC)と「東京大学留学生支援室」(以下、東大支援室)による事例は、前回のこの会議で、東大支援室が情報提供を行ったことから始まりました。その内容は、コロナ禍で留学生から「もっと日本語を話したい」「交流したい」という声があがっていることから、東大支援室がこれまで行っていた「FACEプログラム」という留学生のための日本語による交流プログラムを、リモートで実施しようと考えているというものです。
一方NESICでも、コロナ禍で地域と関わる機会が減っていたことや、「コミュニケーションで創る包括的で持続可能な社会」の実現に向けて、社員がさまざまな文化に触れ視野を広げる機会を求めていたことと、Zoomの国内第1号代理店として会社が持っている資源を活用し何かできることがあるのではと考え、フミコムを含めて3者で協議を重ねていきました。
会議から1か月後には、東大留学生とNESIC社員が1対1のペアとなり交流を図るリモートコミュニケーションを行うという企画を固めることができ、12月には28組のマッチングが成立して開始しました。東大支援室の「FACEプログラム」のノウハウを、NESIC社員の知見の拡大といった狙いにつなげたことが早期実現となった理由と言えそうです。
参加した留学生からは「日本語を使う機会が多くなった」、「同世代の人と話せて、話題が広がって楽しかった」などの感想が寄せられた他、NESIC社員からも「コロナで実は孤独感を感じていて、交流することで気分が晴れた」など予想しなかった効果もみられたそうです。
そして、リモートで開催することで、他地域に勤務している社員も自宅から参加でき、少しつながりにくいと思っていた地域との垣根が低くなったこと、なども効果として感じていると話されていました。

・この取り組みは、文京区民チャンネルでも取材していただきました。
 https://youtu.be/Jo-p7b6lUNc?t=43
・NESICプレスリリース
 https://www.nesic.co.jp/news/2021/20210208.html
・東大支援室「FACEプログラム」
 https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/inbound/ja/life-interact-ac-face.html

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【事例紹介②:株式会社御用聞き】

続いて、3年前にも当会議で取組み発表をした「御用聞き」の古市さんがコロナ禍の現在の状況についてお話くださいました。
御用聞きは、「5分100円からのお手伝い」をキャッチフレーズに大学生220名が高齢者宅で家事などの生活支援を展開されている会社です。
本年度は、生活支援件数が前年の130%に増加した一方で、活動する大学生も制約を受けており、通常の30%くらいの稼働率で対応となる中、コロナ禍でも必要とされる生活支援の需要に応えるために苦心されたとのことでした。
最近では、コロナで売り上げ減に悩む飲食店向け支援として、「東京ソコヂカラ」というボランティアチームを立ち上げ、テイクアウトメニュー配達の事業を展開したそうです。
また、コロナ禍で福祉事業者が困っている情報をキャッチし、裏付けを取るために西東京市でファクトリサーチ調査を行った結果、訪問活動中に休憩場所やトイレに困っているという実態をつかんだそうです。そこで、街のコミュニティスペースや子供食堂に「福祉の休憩所」と記した認定シールを配布し、了解を得た施設に表示してもらって福祉従事者が利用しやすい環境づくりに取り組んだのでした。参加者からも福祉従事者の具体的なニーズをとらえた事例に称賛の声が上がるなか、今後は東京23区にこの活動を拡げていきたいと意気込みを話されていました。コロナの影響を具体的に捉えて、柔軟に対応されていることが良くわかりました。

株式会社御用聞き
https://www.goyo-kiki.com/
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【実例紹介③:NPO法人地域ネットワークとらいあんぐる】

最後に「とらいあんぐる」には、「87(はな)プロジェクト」というサブスク(定額販売)プログラムを通じて、家に閉じこもりがちな高齢者が外出する機会を増やす取組みについてお話いただきました。コロナ禍で、高齢者等が家族から外出自粛を求められて認知が進んでいるかもしれないという話を地域の生花店の方と話したことから立ち上がったプロジェクトです。
活動の始まりとして生花店と話し合って、毎月定額料金で月に8本の花を1本ずつ買うことができるサブスクを始めました。最初は面倒に思えますが、家にこもりがちな高齢者も花屋に何度も足を運ぶ理由が出来て、活動範囲や歩数の増加につながっているそうです。花を買うことを通じて来店することで、社会とつながりを持つことができるのではないかと考えています。
現在では花屋以外に、カフェ・家具・歯科医をはじめ大塚エリアを中心に地域の店舗に広がりそうなサブスクサービスを今後実施する地域を広げていきたいとのお話に、参加者からもコラボを考えたいとの声が上がっていました。

NPO法人地域ネットワークとらいあんぐる
http://npotriangle.net
事例紹介のあとは、事例ごとに小グループに分かれて、具体的な質問や情報交換を行いました。今回から、多くの参加者が自由にお話いただけるよう、希望するグループへ自由に移動できるようにし、より対面実施に近い環境づくりに努めました。短い時間でしたが、詳しい内容について質問や意見交換がにぎやかに行われました。
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●参加企業(団体)からのお知らせ
当会議では最後に参加された企業(団体)から活動のお知らせの時間も設けています。
今回は3企業(団体)から発表がありました。ご興味のある方は是非検索してみてください。

・株式会社トヨタ自動車
 車いすでの外出の可能性を広げる移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」
 https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34303013.html

・一般社団法人茶道クラブNomad Tea Culture 
 https://nomadteaculture.jp

・一般社団法人アルバ・エデュ
 https://www.alba-edu.org/ 
【終了後の参加者アンケートの一部(抜粋)】
●NESIC × 東大支援室 について
 出会いから2か月半で実施できたスピード感に
 「社内で早期に決裁を上げるためにどう工夫したのか」という質問に
 従業員が就業時間外に自己責任で行う活動であること、企業として今できるボランティア活動
 という意図を説明し続けたこと等が共有されていたことが気付きとして得られました。

●御用聞き
 ・コロナ時代の企業としてのCSRの在り方をよく考えさせられた。
  特にファクトリサーチで福祉事業者さん自身が休憩場所やトイレに困っている実態など、
  聞かないとわからないことがあり、勉強になった。
 ・コロナ禍の中で取組みに関わる教育機関や団体との折衝に柔軟に対応されている姿に感銘を受けた。

●とらいあんぐる
 ・学生が地域の方々とふれあう機会を求めており、学生と地域の高齢者活動との
  コラボレーションを考えたい(大学関係者)
 ・サブスクという言葉が高齢者には伝わりにくいのでというご意見に対しては、
  人によってはサブスクと言わず「87プロジェクトのポイントカード」などの
  言い方に変えて、分かり易い説明を心がけていると聞きました。
  コロナ禍の今だからこそ、高齢者にオンラインでのつながり方を理解してもらい
  やすいと感じた。

●会全体へのご意見
 ・ジャンルの異なる視点からお話を聞くことができ、有意義だった。
 ・周囲をまきこんで事業をどのように進めるかがよくわかった。
 ・みなさんコロナ禍で苦労しながらも試行錯誤をして活動を行っていることが
  印象的で見習う必要があると感じた。
 ・文京区でどのような活動が行われているのか、大変参考になった。
 ・産学協同の地域コミュニティに初めて参加し、多様な連携ができる可能性を感じた。
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参加者のみなさんがおっしゃるように、コロナ禍の中でできなかったことも多いのですが、今だからこその“つながり”もあると感じた会議でした。事例紹介からは、小さなつながりから一つのプロジェクトにつながった例や、日ごろの活動の中の小さな疑問を投げかけることで、新たな展開を見つけた例などからの気付きがありました。

2021年度も、地域・企業の実状に寄り添った情報提供を行いながら、文京区内の新たなつながりを生み出すきっかけとなるような場として継続開催していきます。
これまで会議に参加されたことがない方でも、社会課題解決・地域連携に関心のある企業様のご相談も受け付けております。
フミコムまでお気軽にお問い合わせください。