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活動報告・発行広報物

お茶の水女子大学宮里先生のコラム「子どもの声が育つとき」を連載します!

こえまっぷ
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第1回 聴きたくなる
本コラムは、お茶の水女子大学・宮里暁美先生と「こえまっぷ」がともに取り組む連載企画『子どもの声が育つとき』です。
日々の保育や暮らしの中にある小さなエピソードを手がかりに、子どもたちの「まだ言葉にならない気持ち」や「声の芽」が、どのように育ち、ひらかれていくのかを丁寧に見つめます。
子どもの声は、教え込まれるものでも、引き出されるものでもなく、安心できる大人や環境との関係の中で、少しずつ立ち上がってくるもの。
本コラムでは、宮里先生のあたたかなまなざしと、「こえまっぷ」の実践を重ね合わせながら、子どもの声に寄り添うことの意味や、社会とのつながり方を考えていきます。
保護者、支援者、地域の大人一人ひとりが、子どもの声を「聴く人」としてどう在れるのか。
子どもの権利が日常の中で息づくためのヒントを、共に探していく連載です。
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(こえまっぷサイトより引用)
「こえまっぷ」という素敵な取り組みを芳澤さんから教えていただき、ぜひ一緒!と願いました。芳澤さんは私の思いを受け止めてくださり、一歩前に進むことができました。その一歩がこのブログです。自由に話したいことを話していいよ、という温かさに包まれてスタートしました。どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに自己紹介をします。私は静岡県清水市で生まれました。二人姉妹の妹で、わがままいっぱいに育ちました。大学では児童学を学び、幼稚園教諭として、親として、こども園園長として、研究者として、時に子育て応援団として、多くの子どもたちや親たち、様々な人たちと接して過ごしてきました。


 私は、時々無性に子どもにインタビューしたくなります。子どもの考えを聴くのが大好きなのです。

こども園の5歳児クラスで、子どもたちが初めてリレーをするのを見た時もそうでした。ドーナツ型のバトンを握り締め全力疾走したりバトンを受け取ろうと手を伸ばしたりする姿を見た時に、ふっと聴きたくなりました。
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「バトンを持って走るってどんな感じ?」と。私の問いかけに対して、子どもたちはいろいろに答えました。

「バトンを持って走るとね、早く走れる気がする!」

「力がわいてくる!」

「勝つぞーって思う」

など力強い発言が続くなか、笑顔で一言「うれしい」と言った子もいました。

シンプルな一言から一つのバトンをみんなで繋いで走り切った喜びが溢れているように感じて、思わず微笑んでしまいました。

ある時、3歳の子と帰り道が一緒になったことがあります。お母さんは下の子をベビーカーに乗せて後ろからついてきます。「信号のところまで一緒に帰ろうね!」と弾んだ気持ちで歩きながら「何が好き?」と聞いてみました。

すると「ナシとムシ」という答えが返ってきました。

なんだか韻を踏んでいるようで、おしゃれな返事だなあ、と思いながら「ムシは、何が好きなの?」と重ねて聞いてみました。
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すると「バッタとチョウチョ!」と、またすぐに答えが返ってきました。嬉しそうなその声から、ムシ好きな様子がうかがえました。

「それからハチも好きだよ!」と言います。

ハチは、どちらかというと悪者みたいに言われる時があり、気の毒だなあ、と日頃から思っていたので「そうだね、ハチもかわいいよね。蜜を運んでくれているものね」と話すと「そうだよ」と頷きました。

話が盛り上がってきたので「トンボも可愛いよね」と言ってみると、なぜか「トンボかあ・・・」と静かな反応が返ってきました。

トンボはそれほど好きでもないのか、なぜなのかなあと考えているうちに、信号のところに着きました。「じゃあまたね!」「またね!」と手を振って別れながら、心がほっこりしている私でした。